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「……ふ、ふふ…」
その時だった。
女の子の小さな笑い声が聞こえたのは。
「――!!?」
…見られた!?見られたのか!?
酷く焦った裕輝は周りを必死になって見渡す。
――しかし
……いない。
幻聴?…だったのか…?
ちょっと安堵した。
――瞬間
「――後ろですよ、後ろ」
背後からさっきと同じ、女の子の声が聞こえた。
「――えっ?!」
もちろん裕輝はすかさず後ろを振り向く。
しかし今度は
「――あ…」
阿呆な声を上げた後、固まった。
その女の子を見て――。
桜吹雪と一緒に舞う、黒くて長い髪と、
まるで白雪のように白い肌、
しかし暖かく包み込むような優しい瞳。
一目見て思った…
いや――感じた…。
――きれい…。
と
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