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キィン――!
ガキィン―――!
朝の賑やかな空気に金属同士の激突音が響く。
それは時にリズム良く、時に不規則に。
「っだらぁっ!」
「甘いよ!」
二人の実力はほぼ互角である。
とりあえず確実に言える事は、そこらの成り立て騎士がこの中に割って入ればものの数秒でノックアウトされるだろう。
「「はぁっ……はぁっ……」」
基礎体力については同門の師であるため、二人の呼吸は重なる事が多い。
だが、
「俺ら二人、一緒に剣を学んだってのに全く似てねーよな……」
アーツがぼやく。
「そりゃそうだろうさ。君が一度としてロイス師匠の教えに従った事があったか?」
「あんな胡散臭ぇ中年の言う通りになんかできっかよ」
「ハハハ……一応、あれでも第一師団の筆頭なんだけどね」
レイスは苦笑いし、日光に輝く鋼色の剣を構えた。
二人の剣は刃引きしてあり切り傷こそつかないが、打撲などはもちろんありえる。
故に、勝負は常に真剣。一度スイッチが切り替わってしまえば、そこに“家族”というくくりは存在しなくなる。
残るとすれば、それは――、
「決着、つけるか……!」
二人の――、
「あぁ。いい加減出なきゃまずいしね……って、あぁぁぁっ!!」
「……どうした? トイレか?」
「学校だよ学校! このままじゃ遅刻だ!」
「ハッハッハー。今さら、んなモン気にす――て早っ!」
――二人の“男”は、ただの“青年”に戻った。
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