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騎士学校はアーツ達の住む町『ハルティア』から離れた所に位置する。
よって、一旦付近の入学生を集めてから“ある手段”を用いて学校に向かうらしい。
そして、ここはその集合場所。
「おーい、全員揃ったか~?」
A4サイズの羊皮紙を持った年増の――いや、若い眼鏡を掛けた女性が呼び掛ける。
すると、学校の制服を着た生徒が女性に耳打ちした。腕には『補佐』と書かれた腕章が巻かれている。
「その……ハルティアの二人がまだ……」
「噂の騎士団長のご子息様二人か……ったく……」
眼鏡の女性はため息混じりに頭を掻いた。
と、そこへ。
「すいません! 遅れました!」
噂をすればなんとやら。
制服を着た茶髪と黒髪の二人組が走ってきた。
「あいつらか……」
教師であろう女性は二人組の声がした方向を睨み付け、ピシッとした動作で眼鏡の端を持ち上げた。
――ゾクッ。
「なぁレイス。俺の第六感が『絶対に行くな』って言ってるんだが……」
至極真面目な表情でアーツは言った。
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