第Ⅰ譚 ―二人の始まり―

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  「では、これより校舎へと向かう。私語は慎み、迅速に着いてくるように!」 ここ、集合場所はアーツ達の住む町ハルティアの隣町。そこに位置する教会の裏庭である。 ここから徒歩で騎士学校へ向かうとすれば、最低でも半日……例え馬車を用いたとしても日が暮れてしまう。 しかしネフィル教諭は教会の中へ入っていってしまった。 「教会になんかあったっけか?」 「さぁ、噂は色々と聞くけどね……」 「噂ァ?」 「おいそこ! 私語は慎めと言ったはずだ!」 聞き返したところでネフィル教諭からのお叱りが飛んできた。 苦笑しながら黙った二人は、そのまま生徒の流れに入っていく。
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