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「そう。男の子だ!」
父はにこにこと笑い、視線を息子から布包みへと移す。
対して、少年の頭は「?」で一杯のようだ。
しきりに父を見ては恐る恐るといった様子で布包みを覗き込み、それを繰り返している。
見兼ねた父はガシガシと後頭部を掻き、視線を宙に泳がせる。
「そいつはなぁ~……今日からお前の……弟? いや、兄か? ……まぁどっちでもいいか」
最後のほうはボショボショ呟くだけで、少年はまだ状況を掴めていない。
やがて、考えるのを止めた父がガバッと少年の両脇を持ち上げた。
「ともかく!
そいつは俺らの新しい家族ってコトだ! はっはっはっはっ!」
そう言って、再び父は豪快に笑い出した。
「ん~……わかったぁ!」
少年もその幼さからか、はたまたその性格からか、簡単に納得したように満面の笑みを浮かべた。
――かくして、二人は雨の降る日に出会った。
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