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「ん……あぁ、そういやそうだったな。
で、おりこうさんな《レイス君》はもう行きますってか?」
眠そうに目を擦りながらも皮肉を言う黒髪の青年。茶髪の青年は《レイス》と呼ばれているらしい。
「まったく……待つのを知ってて言ってるだろ。
父さんはもう行ってしまったよ。『アーツによろしく』だってさ。しばらく会えないんだから、顔くらい合わせておけば良いものを……」
「ハッハッハー、どーせ親不孝な息子ですよ~っと」
《アーツ》と呼ばれた黒髪の青年は口元に笑みを浮かべ、よっこらせと立ち上がる。
「……くだらないこと言ってる暇があるなら早く準備してくれないか? 入学早々遅刻するのはゴメンだよ」
そう言い残すと、レイスは一階の玄関に降りて行った。
「へいへーい。りょーかいりょーかい」
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