*起

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あの子が部屋に来る度にドキドキした。 僕にはあまり近づいてくれないけど、それでも良かった。 あの子がそばにいるだけで、幸せだったから。 ふいに、あの子が僕の居る出窓に寄ってきた。 『いつもは近づかないのに、どうしたんだろう』 僕は気が気じゃなくなった。 そんな僕を横目で見、窓からの風に気持ちよさそうな顔をした。 僕はサボテン。 触れればきみが傷ついてしまう。 どうか触れないで。 でもそばに居て。 このまま時が止まってしまえばいいのに…。  
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