紙姫とねずみ

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そんな二人を見たこの国の王は、あまりにも姫を不びんに思い、どうしようもできない二人の仲を引きさくことに決めました。このまま会い続けても、二人はどうすることもかないません。それならいっそ、引きはなしてしまおうと考えたのです。 「エデン、すまないがこの国から出ていって欲しい」 「なんですって」 「君もわかっているだろう。二人は永遠に結ばれるはずがない。…私はこれ以上姫を悲しませたくないのだよ」 王の言葉に、彼は涙を流しました。彼にも先がないことがわかっていたからです。さらに王の気持ちも痛い程に。 彼は二回うなずくと、ちいさくため息をついて心を決めました。 「さよならと私からは言えません。どうか姫に、幸せになるようお伝えください」 そうして彼は国から出てゆきました。残された姫は、何日かしてから、そのことを聞かされました。 「あなたがいないのに、幸せだなんてどうしてなれましょう」 それからしばらく姫は悲しみ続け、だれとも話そうとはしませんでした。夜がきても、月に話しかけることすらしなくなりました。 やがて泣きつかれた姫は、毎日眠り続けました。あまりの悲しみに、姫はつかれ果ててしまったのです。
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