第一章 一期一会、軌跡に近し

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 もみじがすっかり紅葉し窓から肌寒いくらいの涼しい風が吹く。 俺は、依頼された絵を完成させて寝転んだ途端階段を登る慌ただしい足音が聞こえる。 俺は、すぐに起き上がった。 ドンドンドガッ あっ、転けたな。と思った瞬間襖が開かれたが見覚えのない知らぬ顔だった。 「いきなりやかまないが ちっくと隠さしてくれんか?」 とある風変わりな男が来た…訛りからして土佐(四国)の者だと分かった。薩摩(九州)と特別悪いわけはない、俺はその男を向かい入れた。 「どうぞ、押し入れの天井に隠し扉がありますから」 「ありがとのう」 とよじ登っていくよく分からない人物 まぁ、これからは謎の男 と呼ぶことにする。
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