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ただ、新学期が始まってからも、妹は、学校に行くことはなくなってしまった。
本人は「ちょっと、頭が痛くって…」と言っているのだが、さすがに一週間も休みが続くと、学校で何かがあったことは、容易に推測できた。
そんなある日のこと。いつものように、夜10時くらいまでバイトをやって、家に帰ってくると、母親は、深刻な顔をしていた。
「ちょっと、見てほしいものがあるんだけど…」
部屋着に着替え、渡されたものは、一冊のノートだった。
「光恵の部屋、掃除してたら、これが捨ててあったの」
手渡されたのは、ノートのページを乱暴に切り離してくしゃくしゃに丸めたものだった。
広げてみると、それは黒く塗りつぶされて、よく見てみると「バカ」「カス」「死ね」「スケベ女」など、目を覆いたくなるような悪口で、埋め尽くされた。
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