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ケーキ売り場を出ると、今度は、CD売り場へと向かう。もう時計の針も21時を回ろうとして、かたづけを始めている売り場もチラホラと見られる。
妹が大好きなアーティストのベストアルバムを1枚、手にすると、レジへ向かった。
「すみません、ラッピングお願いします」
「赤と緑とありますが?」
「じゃあ、赤で」
CDの会計も済ませると、駅の改札を通り、ホームへ向かう。
ケーキを持っているとつい、転んでケーキがぐちゃぐちゃになったりとか、座ったベンチに置き忘れて電車に乗ってしまうとか、そんなマンガチックなハプニングを思い出してしまい、なんだか大金を持っているかのようにキンチョーしてしまう。
いつもの電車に乗って、いつもの帰り道を歩いてきただけなのに、自宅の家に着いたときに、少しだけ疲れを感じているのは、たぶん、そのせいだろう。
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