仕合わせ

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「また…あの夢か…」 低く喉を鳴らした。   頭をかきむしり、煙草に火をつけた。   僅かに開いている窓から、煙が漏れる。   「アイツには、夏音(かのん)には、幸せにならなくちゃ、ダメだったのに…」     毎日に色がない。 殺風景で、煙草の煙の様に曇っている。   幸せじゃない。 俺は、生まれる前から、幸せになれないと決まっていた人間だ。   別にそんなのどーでもいい…   だからって、死にたいとも思わないから かと言って、生きたいとも思わない…
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