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しばらくすると、まだ新しい感じの、それでも少し小さい本屋さんに二人は足を止めた。
「ゆーいち!!じゃあ、また後でねっ!!」
そう言うと、湖子は本屋さんの中へと入っていった。
一方、裕一は向かい側の、少し古びた建物の中へと入っていく。
「おぉー!!麻野っ」
「おはよーございます、矢倉さん」
「また湖子ちゃんと仲良く来てただろ~」
にやついた顔を見せるこの男は、裕一より2、3歳は上のようだ。
「仲良くじゃないですよー」
サラッと受け流す感じで裕一は言ってみせた。
「実際、湖子ちゃんって彼氏いんのー?」
真面目に聞いてるのか、冗談で聞いてるのか、どちらにせよ裕一には関係ない。
「湖子には、居ないでしょ…アイツ、バカだし童顔だし、うん…。そんな話、聞かないし…」
無表情で言ってみせた。
裕一は、大体誰に対してもそうだった。
「あっ、じゃあそろそろ交代の時間ですよねっ!?ちょっと着替えてきますっ」
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