アクアマリンの行方

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ドアを開けると幅が1メートルくらいの  狭い…薄暗い階段が上に伸びており  頭上には裸の豆電球と  ズラリと並んだ マンガの単行本が降ってきそうな  棚があった…  一瞬 カビ臭い匂いに  顔をしかめたアタシは…  楓のあとに続いて階段を登った 階段を登りきると 正面と右側に 昔風のベニヤ板で出来た扉があって  楓は正面の扉をあけて  アタシを招き入れた…  楓の見慣れた持ち物が散乱し  服掛けには 夏なのに冬物がかけられたまま  一ヶ所を占領して  四畳半の和室には 木の枠で出来た古い引き戸の窓がついていた  『かえで… ここは…  物置小屋?』  アタシは 愕然とした  『まぁ~ 一見そんなカンジだよね😃』  『この一間が かえでの部屋なの?』  『そうなの!隣の部屋と  ふすまで仕切られてるだけだよ?  (ショップの)お姉さんが借りてたんだけど  ドアが2つある珍しい作りだったから  「ルームシェア」してるんだぁ  一階は 違う人が住んでいるけど…  入り口が違うから  上がってくることはない…』  そう言って 古いガラス窓を開けた…
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