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「おい、あの噂本当なんだろうな」
「間違いない」
厚い暗雲が音を発て鳴り響き、闇が広がる高原で、旅人と思える二人組の男達の目の前に、異様な空気を放つ古びた廃墟と化した屋敷が旅人を静かに見下ろすようにそびえ立っていた。
その姿に旅人の一人が軽く身震いをし、長身である相棒を見る。
その視線に気付いた相棒である長身の男は深く溜め息を吐き屋敷を見上げた。
「あの噂が正しいなら、これは世界的発見だ」
「でも何人も死んでんだぞ?」
「姿は見てないんだろうが……行くぞ」
そう言い屋敷に向かって歩き出す二人の背中を、割れた窓から静かに見つめる獣と化した冷たい瞳が捕らえた。
そして数分後……
廃墟の中で二人の悲鳴が響き渡った。
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