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本日三度目の目覚めは、曇り空に見守られていた。
…ん?俺いつ外出たっけ?しかも外で寝たっけ?
「あぁ~起きたぁ」
疲れ果てたみたいな声がする。俺は一緒に昼寝するような友達はいない筈だが。
そして気のせいか空が狭くなってきている。いや、石が目の前を勝手に飛び回って天井になっていってる。
夢かなこりゃ。まだ寝てんだな。俺はもう一度起きるために目を閉じ…痛ってぇ!?
「夢オチが好きなのはよーくわかったから。でも現実だから諦めて起きなさい」
頬を引っ張りながら母親みたいな台詞を吐いたルシフェルを横目で見て、俺は渋々起き上がった。石の上に寝てたせいか身体が痛い。
『あー…だる』
「いやそれ私の台詞だからね。ハル君、君…何したかわかってる?」
いや知らん。あ、額に血管浮いた。
「…………はぁ。まぁ、意識はなかったしね…あのね?」
なんか言いづらそうだな。なんだよ?
「えーと一言で言うと予想外?」
『何が?そういやあの石なんだったんだよ?』
確かに痛くはなかったが気絶したぞ?
「あの石は【イシ】って言って、魔力の塊みたいなものだよ。アレを体に入れることで魔力を増やすんだね。んで普通は意識も無くさないしすぐ終わるんだけど…」
だけど?俺は気絶したよな。それが意味するのは何だ?
「なんかわかんないんだけど、ここにあった全部の【イシ】を君が取り込んじゃった。何回かに分けるつもりだったんだけど…」
ふーん。
「そのせいで魔力が異常な密度になっちゃってさ、この部屋一回吹き飛んでるんだよ?」
『ふーん…ってそんなに!?でももう直ってんじゃん?』
「まがりなりにも魔王だから、魔法とシャドウでちょいちょいとね」
あ、そう。道理でさっきからいねぇなと思った。
「まぁ、これでハル君は歴代の魔王にも勝てるくらいの魔力を手に入れたわけだよ。だから、魔王業頑張ってね?」
いやまだ何するかも聞いてねぇけど。
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