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あれ?おれ今一人で喋りまくってた?すげぇイタい子じゃね?
「あぁご安心を。声には出てませんでしたヨ」
あ、よかった…
『…て、あんた誰?』
俺に声をかけたのはやけに紳士な黒ずくめだった。めちゃくちゃ怪しい。
「いえいえワタクシ怪しいものではございませんよ。ワタクシ、シャドウと申しまス」
いや怪しいから。何か妙にカタコトだから。そしてなぜ俺と会話してんだよ?
声に出してないのに。
「ま、マ、お気になさらズ」
いやだから変だろ。お前勝手に人の心と会話するなよ。
「疑り深い人でスネ…ワタクシあんまり頭脳派ではございませんデ」
あ、それ納得。とろそうだよな。
「きーッ、何故初対面でそんなこと言われなきゃならないでございまスか!!」
文変だよ。
「ほっとけでございまス!フゥゥー…ハッ!!」
ドスッ!!ガッ!!
今一つ憎めない黒ずくめが奇声を発した直後、俺はみぞおちと顎に強烈な痛みを感じた。
その後は…お決まり、気絶だ。
「フゥ…やれやれ、任務達成ですかネ?とにかくヤマナカハルを連れて帰ればいいとルシフェル様もおっしゃってたし…」
黒ずくめは訳のわからないことをぶつぶついいながら俺を抱えた。
そして奴は歩き出したが、薄れ行く意識のなかではどこに連れていかれるかなんてわからず、俺はただ浮遊感を感じるだけだった。
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