序章 ~ターニングポイントは突然に~

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「アレ?言ってませんでしたっけネ」   言ってねえよ。   『まぁいいや、どうせルシフェルとか言う奴のとこだろ。とっとと行こうぜ』   「そうですネ。よくわかりましたネ…あぁっすみませんすみませんスミマセン、ただいま参りますカラ!!」   台詞の途中で急に焦りだしたシャドウ。   『病院行くか?』   「それは何ですカ…って、ワタクシ正常でス!!早く行きますヨ!!あぁもうお怒りダ」   走っていくシャドウに俺はとりあえずついて行く。やっぱしっかり読んでやがる。しかも俺の中のイメージもキャッチできるみたいだな。途中で理解したみたいだし多分そうなんだろう。   コンコンコン…。シャドウが立ち止まった扉の前で恐る恐るノックした。   「ル、ルシフェル様…シャドウです。ヤマナカハルをお連れしました」   そう言って数秒後、返事もないのに扉を開けて俺に入るように促す。どうでもいいけどめちゃくちゃびびってんな。   「そ、そそ粗相のないようになナな」   いや普通にしゃべれよ。やっぱ病院行った方が…。   「行きませんカラ!!早ク!!」   はいはい。仕方なく俺はその部屋に入った。さっきからずっと思ってたがこの建物全体に陰気くさい。窓も少ないと言うか無いし、なんか湿気が多い気もする。   こんなとこ住んでたらカビが生えそうだ。この部屋もそうだな…そして部屋で目を引いたのは、おそらく【ルシフェル】なる人物。   「や、突然誘拐なんかしちゃってごめんね。私はルシフェルと言います。こんなんだけど魔王やってます。よろしくね」   にこやかに謝罪と挨拶をすませた多分男の容姿はちょっと…いやかなり非凡ないでたちだった。   髪は漆黒。瞳は黄金。有り得ない色の組み合わせだが、カラコンか何かだろう。   まぁそこまでは常識の範囲内なんだが、側頭部から…あー、その、角?が生えているように見える。羊みたいなねじれた角だ。趣味…か?
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