序章 ~ターニングポイントは突然に~

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~以下回想~   「まぁ、つまりスカウトなんだよ」   『スカウトではないだろう。自由意志ではなかったぞ』   「あぁ…シャドウだから…少~しニュアンスが変わったんだね」   大分変わっている気がする。言わないがどうせ読んでいるんだろ?   「まぁまぁ。で、そうは言っても今すぐ私の仕事全部任せるとかそんな無謀なことはしないから安心して」   当たり前だろ。   「君を連れてきた理由はね、タイト…通称魔界は破綻してるからなんだよ」   『は?』   「破綻だってば。正しくは一歩手前だけど」   いや、あまり変わらんだろ。   「魔物ってどんなイメージがある?」   『まぁ、凶暴とか…あまり考えないとか。俺の世界のイメージはけちな悪役でしかなかったな』   「なるほど…まぁ悪役ってのは誤解なんだけど、あまり考えないってとこは正解なんだよね。   更に言うなら努力って言葉を知らない。自分達の食い扶持は奪って作る。だからタイトでは奪い合いが年中起こってる」   『あぁ、ってことはタイトからは出られないのか?』   「うん、【セントラル】との境界には結界みたいなものがあるんだ。凄く力の強いものは出られるんだけどね。そこら辺の魔族じゃ無理。だからタイトの中で戦う。力は強いし魔力が多い奴だっているから規模が大きい。傷跡も大きく残る。タイトは荒地しかないんだ。」   頭が悪いから後先考えてないんだ…とか言いたいんだろうな。聞いてると嫌がらせみたいな世界だな。こいつよく魔王なんてやってんな。   「そんな中で生産なんて期待できない。消費していくしかない。嫌な言い方だけど仲間の命も含めてね。」   確かにな。気分悪りいわ。 でもまぁ、聞く限りじゃ殺し合ってんだから消費…だわな。聞けば聞くほど最悪だ。   「今、タイトはどんどん衰退してる。知能の低い子達は本能で怯えてる。たちが悪いのは中途半端な頭と強い力をもったやつらだ」   はぁ、つまり頭良いぶん本能が鈍いと。しかし現状に気がつくほどは頭良くないから周りを破壊しまくると。   「正解…」
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