てのひらの昨日 ゆびさきの明日

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ちょっと堅物でとっつきにくいけど、実はやさしいトコ。 そのくせ意外と頑固で負けず嫌いなトコ。 落ち着いてて一見大人っぽいクセに、たまに心配になるぐらい無防備で子供っぽい顔をするトコ。 あぁ、顔自体はあんまり似てないよ。 彼、丸顔だし。 でもなんかこう…ふとした瞬間、修平と重なるんだ。 そしたら胸の奥が少しだけ痛くなってさ。 正直、ときどき焦るよ。 もうすぐ本当に結婚するのにね。 こんなんで私、大丈夫かなって。 だから…今日、偶然だけど修平とふたりで歩けてよかった。 あなたと彼との決定的な違いがわかったもの。 どこかって? すごく単純なことだよ。 彼は私を恋愛対象として見てくれた。 あなたは違った。 それだけ。 あ、誤解しないで。 友達としてはホントに好きでいてくれたよね。 ちゃんとわかってるよ。 っていうか、それくらいは自惚れさせてもらわないと、なんてね。 女の子にはね、悲しいけど直感でわかるんだよ。 その恋が実るか実らないか。 よくわからないって顔してるね。 じゃあ、ひとつ聞くよ。
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