掌中の記憶

3/9
前へ
/26ページ
次へ
幼い頃から漠然と「教師になりたい」という夢を抱いてきた僕は、国文科の専門講義よりも教職課程の単位取得に熱心だった。 とりわけ、元中学校教師という経歴を持つ皆川教授の実践経験に基づいた「国語教育学」という講義が面白く、3年では迷わず教授のゼミを専攻した。 その第1回目のことは多分一生忘れない。 あの日を境に、確実に僕の学生生活は鮮やかに彩りを変えたから。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加