1日目

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 ちょっと、たぶんってなによ?  だって全然あったことないし。  そりゃ学校ぜんぜん行ってないもん。  ひきこもり?  最近の言葉で言うと、自宅警備員。  ふーん、で、名前、なんだっけ?  名前? キリコ。  あー、そうだった。僕は──。  しってる。カズユキくんでしょ?  そう、それ。  ねえ、カズユキくん?  なに?  いい加減──。 「目、覚ましなさいよ!」  ゴツッ 「いでっ!」  頭に小石が当たって飛び起きた。 「ここは……?」  あたりを見渡すと、洞窟を仕切って作られた小部屋のようだ。薄明かりの元はろうそくか油で作られた簡単なランプらしい。 「牢屋でしょ?」  そういえば鉄格子がはまってる。  その鉄格子越しに、彼女──キリコは岩壁にもたれながら小石を投げたようだ。
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