───── 宿命 ─────

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前から気になる存在のクゥだったけど、名前で呼ぶようになってからはどんどん愛しさが増してきて 暇さえあればクゥや他の子猫達と遊ぶ毎日が続く夏休み。 子猫の成長はとっても早くて、毎日少しずつ成長の兆しが見えるんだ。 ──────夕方 「ただいまぁ」 買い物を終えた母の声だ。 「おかえりー。今日ね、クゥが自分の力だけでトイレにいけたんだよ!!」 「ふふ」 何故か笑う母。 「………なぁに?」 怪訝そうに聞く私。 「口を開けばクゥの成長のことばっかりで、本当の親みたいって思ってさ。でも小学6年生のサオリが母親!?って考えたらおかしくて…」 「本当の親?」 ──ホントウノオヤ── 私が?? そんな風に見えるのかな?そんな風になれたらいいな♪ この子をたっぷりの愛情で育てていきたい。 クゥに『この人はお母さんなんだ』って思ってもらえる日がくるといいなぁ。
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