Chapitre.1 幸せなキミとの時間(とき)

8/9
前へ
/102ページ
次へ
茜色に照らされ駆け寄ってくるキミはすごくまぶしくて…。 「お待たせ!待っててくれてありがとう」 「いつものことだろう?おれが待ちたくて待ってるんだ。さぁ、帰ろう」 「うん!」 いつもの帰り道。 沈みゆく太陽をベンチで見届け、たわいない会話に花を咲かせ気づけば7時を回っていた。 「暗くなってきたしそろそろ帰ろう」 「もうこんな時間なんだ。羽飛といると時間が立つのが早いね」 少し悲しそうに腕時計に目をやるあかねをなだめるように言う。 「帰って宿題やるんだろ?手伝うから」 「本当!?やったー!」 手を上げて大はしゃぎするキミはすごく愛おしくて…。 おれももっと一緒にいたいと思いが強くなる。 今日はいつもより帰るのが遅くなってしまったから、送ったら帰るつもりだったが家にお邪魔することにした。 華道公園のベンチをあとにし、あかねの家に向かう。 街灯に明かりがつき、住宅街も夕食の支度に取りかかっているのか、どこかからカレーの匂いがする。 無事あかねの家に到着し、少し重たい扉を開け中に入る。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加