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茜色に照らされ駆け寄ってくるキミはすごくまぶしくて…。
「お待たせ!待っててくれてありがとう」
「いつものことだろう?おれが待ちたくて待ってるんだ。さぁ、帰ろう」
「うん!」
いつもの帰り道。
沈みゆく太陽をベンチで見届け、たわいない会話に花を咲かせ気づけば7時を回っていた。
「暗くなってきたしそろそろ帰ろう」
「もうこんな時間なんだ。羽飛といると時間が立つのが早いね」
少し悲しそうに腕時計に目をやるあかねをなだめるように言う。
「帰って宿題やるんだろ?手伝うから」
「本当!?やったー!」
手を上げて大はしゃぎするキミはすごく愛おしくて…。
おれももっと一緒にいたいと思いが強くなる。
今日はいつもより帰るのが遅くなってしまったから、送ったら帰るつもりだったが家にお邪魔することにした。
華道公園のベンチをあとにし、あかねの家に向かう。
街灯に明かりがつき、住宅街も夕食の支度に取りかかっているのか、どこかからカレーの匂いがする。
無事あかねの家に到着し、少し重たい扉を開け中に入る。
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