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今日は夏休みが終わり、登校初日だ。
天気はよく、太陽がアスファルトを焼いて下からもわもわとした空気が漂ってくる。
「今日からまた学校生活が始まるんだぁ」
「嫌なのか?」
「ううん、その逆!羽飛といっぱいお話出来るもん!」
「話はいつもしてるだろ?」
「でも…お仕事であんまりできないし…さびしいよ…。羽飛はさびしくない?」
「…さびしいよ。でも雇ってもらってる以上、ちゃんと働かないと」
「うん、わかってる。でもやっぱり会いたくなるの。お家のお部屋でね、羽飛何してるかなって、ちょっとでもわたしのこと考えてくれるかなって」
「…考えてるよ。どうしてるのかなって…俺も考えてる」
立ち止まってあかねの細い肩に手をおき、優しく呟く。
交差点の近くなのにこんなことしていいんだろうか。
「あのね、わたし…羽飛に言いたいことが、ある、の」
途切れ途切れに言葉を発するキミは、とっても顔が真っ赤で…。
聴いてる俺まで顔が赤く染まりそうで…。
「あの、あの、ね。わたし、羽飛のこと…」
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