Chapitre.1 幸せなキミとの時間(とき)

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「お前、まだ顔赤いぞ?」 「な、なんでもないよ」 「もしかしてあの子か?」 かぁ…。 「本当、お前もあの子もわかりやすいよな」 ニヤニヤしながらそう言うのは、海馬 龍王(かいば りゅうおう)。 気の合ういい友達だ。 初めて出会ったときはケンカの真っ最中だった。 おれとあかねがチンピラに絡まれてるときに、いきなり現れておれたちを助けてくれた。 中学三年生の春休みのときだ。 そのあと、この華道学園の高等部の入学式で出会い、意気投合した。 「なぁ、あの子の友達で椿ちゃんっているだろ?」 「うん」 「あの子かわいいよなあ~。友達になってくんねぇかな~」 知り合ったときは不器用で男の友情が似合うと思っていたけど、龍王も恋するんだな。 龍王の方を見るとボールを突いてはいるが、目は外に向いていた。 外にはあかねと九龍の走ってる姿が…。 今朝のことを思い出し、顔が熱くなる。 「龍王!勝負だ!」 「あ?あ、あぁ!俺はバスケも強いぜ?」
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