Chapitre.1 幸せなキミとの時間(とき)

7/9
前へ
/102ページ
次へ
キーンコーンカーンコーン。 学校が終わり、いつもの日課であるあかねを校門で待つことにしたおれは、龍王に別れを言って一人校門に寄りかかっていた。 ちなみに龍王とのバスケの勝負は引き分けだった。 龍王が外ばかり見ているのに、おれも肝心なときにあかねを探してしまって勝負にならなかった。 あかねはチアリーディング部に所属していて、そのときのあかねはすごくかわいい。 おれは何も部活はやっていないので、いつも待つほうだ。 待つのは嫌いじゃないからいいけどな。 そして、もう一つおれのやることがある。 それは玄関から校門までの道中に石ころがないか、調べることだ。 もしその辺に転がっていたら、ただでさえ何もないところで転ぶのに、よけい転びやすくなるからだ。 くまなくチェックし、落ちていた石ころは遠くへ投げる、それがおれのやることだ。 今日は数学で宿題が出たからな。 きっと家庭教師も頼まれるだろう。 「羽飛、お待たせー!」 本を読んでいると、辺りは朱色に包まれ太陽が沈んでいく。 あかねも来たし帰るか。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加