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特に淑女達の気合いが違った。レースやら宝石を散りばめた豪華な衣装に包まれた各国の王女や貴族の娘達は、今か今かとそわそわとしながら会話をしていると、さっとみんなの視線が一つに集中した。
コツコツ、という足音の先を見ると皇帝のそばでその足が止まった。
「キャー!!マクシミリアン様だわ!」
「今日も一段と素敵だわ」
一斉にそわそわしていた姫君達が黄色い声をあげてその人物を食い入るように見つめていた。
「マックス、おまえからも挨拶を」
そう皇帝が囁くと、会場のほとんどの姫君の視線を集めていたその青年が口を開いた。
「皆様、パルス帝国百周年、おめでとうございます。このように、帝国が平和に続いてこられたのも、各国の強固な団結力の賜物かと存じます。この帝国のために少しでも尽力できるよう、私も日々精進していく所存ですので、何卒宜しくお願い致します」
と笑顔で挨拶し終えると、すっとお辞儀をしてまた微笑んだ。
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