496人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな中、一人の美しい姫君がマクシミリアンの前にすっと立ち、ドレスを少し持ち上げて、ソソと挨拶をする。
「マクシミリアン様、ご機嫌麗しゅうございます」
「これは、フローラ姫。お久しぶりです。益々お綺麗になられ、貴女とは気付きませんでした」
と必殺スマイルをすると、それを見守っていた他の姫君達が、一瞬立ちくらみや、その場に倒れそうになっていた。挨拶されたフローラ姫の方は、
「ありがとうございます」とクスッと微笑んで返した。
「さすが、フローラ様だわ。あのマクシミリアン様き微笑まれても余裕で返していらっしゃる。やはり、美男美女のお似合いのお二人ですわ」
「それに、なんと言っても、フローラ様は帝国内でもエストリアに次ぐ大国のクラリオン国の王女様ですし、お妃候補の中では群を抜いていらっしゃいますからね」
「順当で考えればフローラ様ですわね。残念ですが、あの方でしたから仕方ないですわ」
と二人の挨拶のやり取りを見てヒソヒソと諦めと羨望の眼差しで、一部の姫君達がお喋りをしていた。
最初のコメントを投稿しよう!