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公園に着き、ぶらんこの前で捕まれていた手が解放された
アカネ「なんなの?なんでこんな所に…」
櫻井 逞は私に背を向けたままぶらんこを優しく撫でながらゆっくり口を開いた
タクマ「6年前俺はこの近所に住んでいた。親の仕事の都合でこの地を離れる事になった…」
私はぽつりぽつりと話はじめた櫻井 逞の消えそうな声に耳を傾け黙って聞いていた
タクマ「俺には幼なじみの女がいてな、オテンバで元気だけが取り柄みたいな奴だった。まだチビだった俺はよくそいつに泣かされてたよ。笑」
(ん?なんだろ、この感じ。他人事…)
タクマ「引っ越す前の日、俺はそいつとこの公園にきたんだ。お互い何も言葉を交わさずにな」
私は無意識のうちに涙が零れ落ちていた
(何?何なの?それってまるで…)
櫻井 逞は私に背を向けたまま話を続けた
タクマ「そして俺たちはこのぶらんこに座りしばらく黙ってた。
幼心に思ったよ、気まずいってな。笑」
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