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シュレイド王国王都の『街』と呼ばれる最もハンターが集まるという場のハンターズギルドにたった今狩りから戻って来たハンターがいた。
バサルモスの鎧を纏い、ガンランスを背負っている。兜を外して一息ついた。
彼の名はアイク。わりと名の知れたハンターなのだが、人と群れるのを嫌っているためいつも独りだった。
黒い髪を振乱し、前髪をかき上げた。
「………暑い。」
彼は外を見た。街は活気があり賑やかだが、彼は自分だけそこにいないように感じていた。
英雄は常に独りだ。
超越した力の為に他の人には苦しみを理解してもらえない。きっと黒龍を撃退した英雄『白闇の竜姫』も孤独だったのだろう。彼女にしか分からない苦しみがあって悩みがあって…世界の希望を背負わせられていたのだから。
オレはオレのために狩りをする。全てはハンターとして、より高みを目指す為…
アイクは次に行くクエストを選んでいた。
(リオレウス…流石は王者、強かった。とても疲れたし……ちょっと軽めのが良いな…)
そして目に止まったのは『黒狼鳥(イャンガルルガ)』の討伐クエスト。
(ちょうどこいつの素材が欲しかったんだよ)
アイクはクエストボードから依頼書を取ってカウンターへ行き、ギルド嬢に渡した。契約金を渡し、樹海行きの馬車を待つ事にした。
「次はリオレイアを狩りに行こうよ?」
「なんか欲しいのがあるのか?」
「うん。いつまでもハンター系防具もやだなぁって思ってて…レイアの防具にしたいって思ってるのよ!」
「じゃあティガレックス手伝えよ?オレもそろそろランポス防具脱ぎたい」
黄髪の青年と緑髪の少女が話している。
アイクはただ、それを聞いて思ったのは、
(…弱者が………)
っであった。
(欲しい素材があるなら一人で行きゃいいだろが…)
仲間ーそれがなんなのか、彼はまだ知らなかった。
馬車が来た。それに乗り込み、彼は樹海へと向かった。
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