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樹海ー最近新たに開拓された地で、未知のモンスターが多い。周りは樹々に覆われていて、奥にはとても巨大な木が生えている。まだあまり人が足を踏み入れていない為、モンスター達は生き生きとしている。
アイクも樹海に来るのは初めてだった。
「ここが樹海か…まずは探索でもするか……?」
アイクはまず、西に向かった。
鹿の様なモンスター・ケルビや蟹の様なモンスター・ヤオザミなどが見られた。とてものどかで、平和な印象を受けた。
「本当にこんな場所にイャンガルルガが出てくるのか?」
アイクはイャンガルルガ探しを始めたが、未だ見つけられないでいた。しばらく歩いてから彼はひとつの結論を出した。
(…もしかして……迷った?)
ある意味で最悪の事態だった。このまま迷って時間切れになったら大恥だ。モンスターに遭わないままっていうのは笑えない冗談。
アイクは勿体ないと思いながらも、『千里眼薬』を取り出した。
千里眼薬とは、第六感を研ぎ澄ます効果を持つ薬である。それを使う事によって感覚でモンスターの居場所を察知出来る。それをアイクは飲み干した。
「ん…?こっちに来る………?」
無駄遣いした。アイクはものすごく後悔した。しかしもう過ぎたこと、嘆いてもどうしをもない。ガンランスを構えて戦闘体制に入った。
「ギャオォオォォ!!!」
現れた『黒狼鳥』。しかしその姿を見てアイクは戦闘体制を解いた。
「なにがあったんだ?」
『黒狼鳥』は既に瀕死だった。顔の半分は引き裂かれ、眼を抉られ、耳は剥れ、羽は破け甲殻は罅だらけ。
呆気にとられた瞬間、黒い影が飛んで来て、『黒狼鳥』にぶつかった。血が飛び散り断末魔を上げ、力無く倒れた。
黒い影は姿を隠した。近くにいるのを感じる。『黒狼鳥』に向けられていた殺気が、アイクに向けられた。
再び武器を取り、戦闘体制に入る。
次の瞬間、黒い影と二つの赤い光が襲ってきた。アイクは盾で攻撃を防いだ。しかし衝撃が強く、後ろに飛ばされた。
「ぐっ?!」
また黒い影は姿を隠した。
(なんだ…一体なんなんだよ!?)
正体が分からない敵にアイクは成す術が無かった。戦うにも姿が見えない。逃げるにせよ隙を見せれば殺られる。
再び黒い影と二つの赤い光がアイク目掛けて襲って来た。それとほぼ同時に頭に響く様な騒音が鳴り響いた。
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