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シュレイド王国最北端に位置する田舎町『ポッケ村』は常に雪が積もり残っているとても寒い地域である。
その村に昨日到着した二人のハンターがいる。一人は『ケネ』黄髪の青年で、背は高めの好青年。一人は『アリア』緑の長い髪を横を網込み、後ろで結っている。
「わっはっはっはっ!!流石俺たちだ。ドドブランコだってタダの猿さ!!」
「私この毛皮でコート作りたい…寒い。」
集会所の中、ケネはテーブルの上で身体を後ろに反らして高笑い。アリアは焚き火の近くで寒さに震えていた。
二人は気が向くままに世界を旅するさすらいのハンターで、雪獅子を狩る為にこの地にやって来た。しかし彼等の目的はすんなり終わってしまった。その為今後の予定について悩まさられている。
「ねぇケネ?後どぉする?」
アリアはホットミルクを飲みながら言った。それに対し、ケネはビールを飲みながら答えた。
「そうだなぁ…あと特にやる事無いし……観光でもして次に行くか?」
そこにポッケ村のギルドマスターである竜人族のお姉さんがやってきた。
「あらぁ?あなた方見ない顔ねぇ?どこから来たのかしら?」
「南部から…ですね。」
「あらぁそうなの?そうだとここ寒いでしょぉ?」
「はい。死にそうです。」
「あらあらあらぁ…それは本当に大変ねぇ。…で、暇そうなあなた達にお願いがあるんだけどぉ…?」
「お願い?」
ケネは首をかしげた。ギルドマスターは困ったような顔をして頷いた。
「えぇ。実は今この村にあなた達の様な旅するハンターが来てるんだけどぉ?その娘ドドブランゴを狩るって雪山行ったっきり戻って来ないのよ。肝心なドドブランゴはあなた達が討伐しちゃったしぃ…」
そしてギルドマスターは懐から『金の山菜引換券』を取り出して続けた。
「探して来てくれないかしら?」
ケネとアリアはチケットを見た瞬間、勢い良く立ち上った。そして叫んだ。
「はい!!」
…と。
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