『大剣と弓矢』

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『金獅子』は極端に目撃者が少ない牙獣種である。目撃数が少ない理由は異常な攻撃性を持つ為、生還した者がほとんどいないためである。『黒龍帝』の話だと、それが雪山にいるというのだ。ハンターが行方不明になった理由。それなのかもしれない。   「忠告はした……では私は去る………」 「ちょッ………」 『黒龍帝』は吹雪く闇に消えて行った。 ギルドマスターは賑やかな集会所の中で一人力なく地べたに座り込んだ。           --------------- 雪山を駆ける三つの影。うち二つはケネとアリア。必死に走り何かから逃げている様だ。残るひとつは金色に輝く毛の二本の角を生やした猿だった。   「ガァァァアア!!」「ギャァァア!!?」  ケネは鞄を漁りながら叫ぶ。 「なんでラージャンなんかいるんじゃい?!!」 アリアはビンを選びながら答える。 「知らないよぅ!!アタシが聞きたいよぅ?!!」   『金獅子』の口元に光が集まる。そしてその光を吐き出した。 迸る閃光。空間に歪が生じる。作られた風にアリアは飛ばされそうになる。ケネはアリアの手を取り走る。 「逃げ切るのは無理そうだ。戦うしか無さそうだ。」 「うぇ?本気?!」 「あぁ。」 ケネはアリアをまっすぐ見る。 「オレ達ならやれる。今までもそうだった。」 「ーッ」   吹き荒れる雪。轟く『金獅子』の咆哮。   アリアは笑みを浮かべた。 「そうだね…うん!そうだね!私達に敵は無いもん!!」     二人は逃げるのをやめ、武器を構えた。
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