『ヘタレ英雄御一行様』

5/6
前へ
/121ページ
次へ
肉焼き。結果は察して欲しい。 ギンとキラの手には大量の黒い塊…『焦げた肉』。 泣き崩れるギンとキラ。膝をつき顔を地べたに突伏して小刻みに震えるジャック。明後日の方向を見ながら釣りをするセツナ。 「…刺身でも食べましょう…」 釣り竿が曲線を描く。 セツナの足元に置いたバケツには3匹の活きの良い魚が元気に泳いていた。         ---------------- 食事が終わり、ギンとキラは武器を取る。 「午後こそ頑張るぞぉぉぉお!!」 彼等は元気に草原を駆けていった。 一種の現実逃避かもしれない。   「…丈夫な奴等だな…」 「えぇ…もし、本気でハンターをするならば、とても良いハンターになると思います。」 ジャックとセツナは駆けて行く二人の後ろ姿を見て言った。   「あの子には強く生きて欲しい。やりたい事をやらせてあげたい。」 セツナは蒼空を見上げた。 「私が生きている間に多くを学んで欲しい…」   空に浮かぶ雲は流れて行く。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加