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「ぅ…」
ジャックは目を覚ました。そして何をしていたかを考える。
(えっと…ミラボレアスから逃げようとして…)
ジャックは周りを見渡して異様な光景を見た。
それは血の海。それも半端な量でない血液が溜まっていて、湖ほどの広さになっつていた。
「な…なんだ?これは………ッは?!セツナは?!」
セツナの姿もミラボレアスの姿も見当たらない。
「セツナぁぁぁあ!!?」
ジャックは血の海に入って行って必死になって探し回った。そして孤独に対する不安と恐怖にかられ仲間を見捨てようとした罪悪感が心を包んだ。
歩き回っていると何かが足にぶつかった。慌てて這いつくばって足元を手探りした。
「これは…セツナの………」
血の海に沈んでいたのはセツナの折れた剣だった。
「………ッ」
最悪の事態。最悪の結果。
ジャックの悲鳴が『デンセツ』が去った旧シュレイド城に虚しく響いた。
後にセツナは黒き龍を白き闇に連れて行った竜の姫君……『白闇の竜姫』と呼ばれる様になり、命と引換に世界を救った英雄となった。
生死の確認もされぬまま…………
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