某病院の廃虚

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『帰るか』 みんな出口へ向かって歩きだした。 ふとあたしは一匹の猫に目が止まった。 カズたちにやられたのだろう。 右の前足から血をながしている。 その猫はまっすぐあたしをみてそらさなかった。 なぜかあたしもそらせなかった。 あたしは近寄った。 猫は威嚇しはじめた。 あたしはポケットに入っていた絆創膏を傷口に巻いてあげた。 『マユミー!なにしてるのー?早くかえるよッ!』 『待ってよぉ!』 威嚇をやめた猫を横目にあたしはカズたちの元へ走った。
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