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しばらく歩くと、一軒の店の前、「Hot Sugar」の看板の前に着く。
店の入口を開ける。すると、
「いらっしゃいませー」
からんからんというベルの音と共に珈琲の香ばしい薫りが鼻をくすぐ……
「ふえっくしょん!」
どうやら、違う意味で鼻をくすぐったようだ……
「ははっ、葵、大丈夫か?」
俺は笑いながら、葵の鼻をハンカチーフで拭ってあげる。心なしか、葵の顔が赤い。
「あらあら、お二方は冬にも限らずお暑いこと」
「叔母さん、茶化さないでくれよ」
俺は店主に向かって冷ややかな視線を送る。
「お、おばさんだなんて……これでもまだ二十代なんだからね!」
ぶうーとまるで子供のような叔母さん。しょうがないじゃないか、叔母さんは叔母さんなんだから。
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