黒き死神、白き死神

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「後部主砲照準!」 「TRB全機出撃! 敵戦力、数十四!」 「主砲、てぇーー!!」 艦に衝撃が走り、まばゆい閃光が艦橋窓を多い尽くす。 だが、光源遮蔽用のシャッターにより直ぐに視界は開ける。 「当たったか?!」 カラレスは後ろを見ずに聞く。 「敵被害ありません! TRB隊、戦闘開始しました!」 もとより当てるつもりなど……! カラレスは目の前に広がる火球を一瞥すると、再びコンソールに目を向けた。 「何機いるんだよ……こいつらぁ!」 アキラはライフルを仕切りに動かし、クォンタムを狙う。 しかし空中戦において、ほぼ固定砲台に近いTRBは意味が無い。 「ッ……そこかぁ!」 照準のレティクルを武器を破壊されたクォンタムに合わせ、トリガーを引いた。 放たれた青白い光条はそのクォンタムの脾腹を貫き、橙色の光輪を浮かべる。 ホッと息をつきアキラが気を緩めた瞬間、カタパルトデッキ付近にセンサーに感知されなかったミサイルが着弾し、ウートガルトは衝撃で海面へ投げ出された。
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