黒き死神、白き死神

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「馬鹿野郎! 何をやっている!」 ヘルメット内にロイドの怒声が響いた。 アキラに近づこうとしたクォンタムを墜としたのは、咄嗟に間に入ったロイドだった。 「お前はデッキで砲台だと言っただろうが!」 アキラは身を竦め、小さく毒ずく。 「仕方ないですよ! いきなりミサイル喰らってふき飛ばされたんですから!」 「だったら直ぐに戻れ! 死にたいのか!」 「分かってます! でもーーーーーー」 素直にアースガルズに戻ろうとしたアキラだが、突如奮起し始めたクォンタムの妨害により戻れないでいた。 「いきなりどうしちまったんだ?! こいつらは!」 ウィッツは僚機の爆発を横目に見、一機のクォンタムにマシンガンを乱射する。 だが、そのクォンタムは右腕を失う直前にそれを切り離した。 「しまっ……!?」 ウィッツが目前に迫ったクォンタムから目を背けた瞬間、レベッカの機体がそのブースターを切り裂く。 「ウィッツ! しっかりしな!」 フレィ・クエンサーを一機随伴させていたレベッカだが、次の瞬間そのフレィ・クエンサーは爆散した。
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