5人が本棚に入れています
本棚に追加
私の人生は、
旦那様、
ヘイズ様、
そしてプリシラ様
のおかげで華々しいものとなったのです。
やわらかくて、
甘美で、
光がキラキラとしていて・・・・・・。
――あの頃は、よかった。
ああ、私はこんなことを零すくらいに歳を取ったのです。
今はこのブレイク邸に私1人だけしか居りません。
旦那様も
ヘイズ様も
プリシラ様も、
もう居ないのです。
何故か、ですって?
それは今からお話します。
今宵は、このお屋敷に1人きりじゃないのです。
あなたが、
いるのですから……。
今一度、あなたにお許しをいただけませんか。
華々しかったお屋敷が、
いつしかドロドロとした黒いものに覆われてしまったこと、
昼はいつもどおりにキラキラしているのにどこか儚い、
夜になると空には朧月しか浮かばず不安が漂う、
そんな日々になってしまった
――いいえ、
私がそうしてしまった御話を、
私の罪を、
私がお話しすることを、
どうか許してくださいませ。
最初のコメントを投稿しよう!