= 第2章 = ヘイズィ・ムーン

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「ねぇ、バラの奥様。 今日もお日様が暖かいわねぇ。 でも、今日は昨日よりも日差しが強いみたい。 ノド、乾いてなぁい?」 プリシラは高い声で一生懸命にバラに話し掛けている。 第三者が見たら“おかしな子”だと思うだろうが、 プリシラはそんなことは気にしない。 周りが自分のことを何と言っていようと、全然平気なのだ。 これは、長所でも短所でもあるが、本人は毎日がとても楽しいのである。 ――と、バラがプリシラに話し掛けたようだ。 プリシラはうんうんと頷く。 「わかったわ。 待っててね、今、イシュアにお水をもらって――。」 くるわね、と言い終わる前にプリシラはバラに向き直った。 慌てた様子で、プリシラは申し訳なさそうな表情になった。 「ごめんなさい!  いやだわ、プリシラったら……。 奥様は、 イシュアにお熱だったのよね! プリシラの恋敵だけど…… いいわ!  イシュアに直接、奥様に水を飲ませるように頼んであげる。 いいのよ、プリシラはこの前、奥様のいないところでイシュアと遊んだわ。 だから、これでおあいこよ。」
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