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黒桐 薫(こくとうかおる)はどこにでも居る普通の男子高校生だ。
父母共に仕事で家を空けることが多くほとんど一人暮らし状態ではあるが、それにも慣れ平凡な日常を送っていた。
学校帰りにスーパーで夕飯の買い物をし、そこから家に向かう途中『アレ』は現れた。
外は大分暗くなり、人通りもほとんど無い、そんな道を薫が歩いていると、目の前に一人の女がたっていた。
こんな所で何をやっているんだろうと思いつつ薫が彼女の横を通り過ぎようとしたとき彼女は話しかけてきた。
「君、黒桐薫くん?」
薫は驚いて彼女の方を振り向く、髪は金色のショートカットで一見は凄く美人だ、しかし何か嫌なものを感じる。かけられた声も寒気を感じた。
「はい、そうですけど…何か用ですか?」
薫が答えると彼女の顔が笑顔に歪む、おかしな表現だがそれが一番適当だろう、それほどその彼女の笑顔は不気味なものだった。
「薫くんちょっとお姉さんと一緒来てくれない」
薫はぞっとした。
コイツについて行っては駄目だと本能がそう告げている。
薫は恐怖に駆られ全力で走り出した。
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