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それを皿に盛りつけ、巴の希望通り刻んだ海苔を大量にかける。
薫が完成したタラコスパをテーブルに持っていくと丁度巴が席につくところだった。
血を落とした巴の髪はとても綺麗な黒髪で同じく血を落とした白い肌にとても良く映えている。
伊織そんなことを考えながら皿をテーブルの上に置く。
「まともに料理は出来る様だな、正人(まさひと)のヤツとは大違いだ」
そういうと巴はタラコスパを食べ始める。
正人は伊織の親父の名前だ。
来る途中の道でも言っていたが、両親と知り合いなのは本当らしい。
「けっこう美味いじゃないか」
巴は上機嫌で言った。
薫と会ってからは一番の機嫌だろう、笑顔もさっきまでのものと違い純粋なものだ。
今なら、普通に話すことが出来る気がするので、薫は話しを切り出すことにした。
「食べてるところ悪いんだが、そろそろ話してくれないか」
巴はタラコスパを口に運ぶ手を止めると、薫を見つめる。
薫は一瞬機嫌を損ねたかと思ったが、どうやらそうでもないらしい
「そうだな、そろそろ話してやるか、まず何から聞きたい?」
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