気になる存在

11/12
前へ
/83ページ
次へ
雨が、少し小ぶりになっていたのに助かったのもあった 俺は、いそいで知美を迎えに行った 塾から知美が出てくるのがわかると、傘を差し出して迎えた 橋口「お帰り」 知美「はっしー!本当に迎えに来てくれたの?」 橋口「あぁ」 知美「嬉しい…ありがとうはっしー」 橋口「行こうか…」 傘をさして、来た道を少し戻る 知美「…」 無言の沈黙が続く… それもそのはず… もうすでに頭の中は、告白のことでいっぱいで… 他に何も考えられない状態だったからだ。 何か話さなくちゃいけないと、わかっているのに、言葉が出てこない 知美「…ごめんね…雨の中」 橋口「いや…平気だ」 知美「はっしーって意外とやさしいよね」 橋口「いがいって…なんだよ」 知美「いがいは、意外だよ」 橋口「感じ悪いな」 どうして、いつもこうやって言い争ってしまうんだろうか… 知美「ほめたつもりだったのに」 橋口「ほめてねーよ」 知美「もう」 知美と会話をすると、いつもこうやってケンカぽっくなってしまう 橋口「……お前だからだかんな」 俺は、覚悟を決めた 知美「えっ?」 橋口「知美だから、迎えに来たんだよ」 知美「それって?どういう意味?」 橋口「……」 俺は、知美の腕をとって、自分の胸に抱き寄せた。 持っていた傘が地面に落ちていく 知美「えっ!?」 橋口「好きだって言ってんだよ!だから、今日からは特別だ」 知美「はっしー…」 知美は、ふりほどくどころか、俺に抱きついてきた 俺は、嬉しかった 知美「嬉しい。私もはっしーが好き」 橋口「本当か?」 知美「うん」 橋口「こんな俺でもいいのか?」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加