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清々しい陽気に誘われ、ボケーッとしている黒髪の男が一人いた。
「よし……仕事もこねぇし……寝」
「かせないわよぉ?」
このセリフも違うタイミングだったらなぁ……。と、俺は素直に思った。うんうん。
がっしりと肩を掴んで寝室に行こうとする俺を引き止めるのは……特徴的な灰色の髪を持つ、土地神のイリア。
「いいじゃあねぇかよ~っつうか寝かしてくれや、昨日八時間しか寝てねぇんだぜ?」
「《寝てねぇんだぜ?》じゃない!普通の社会人はそんだけ寝れば十分よ!」
イリアよ……何事も普通はいかんぜよ?今では個性が求められる時代でゴワス。
「ちぇ、わーったよ」
渋々了解。
観念して俺はふたたび椅子にまたがった。
……………………。
…………。
……。
依頼あれ以来からこねぇなぁ。
「ダジャレじゃねぇぞ?」
「だから……誰に言ってんのよ」
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