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和也は平凡な小学3年生で、人を笑わせる事がオムライスの次に大好きだった。
和也はいつものように朝学校へ行く途中、必死に柿の木の実に向かってジャンプしている少年を見つけた。
明らかに柿の木の実が取りたいんだなぁ!と思い、小学3年にしては少し背が高かった和也は、柿の実をジャンプして取ってあげた。
受け取った少年は、ありがとうも言わずに柿の実をおもいっきり和也の顔面に投げつけ逃げて行きました。
しかもスキップで..
和也は状況を把握するのに3秒もかからなかった。顔面と上の服は柿の実だらけだったので、一旦学校に荷物を置いて、学校の何処かにいますよぉー的なアピールをして、猛ダッシュで家に帰りシャワーを浴び、服を着替えて学校へ戻った。
母親に理由をきかれたが、『柿が空から降ってきたんだよぉ』と適当にあしらった。
学校に着いたのは一時間目の国語がちょうど終わった時だった。廊下で先生に軽くチョップされ、『転校生来てるからな仲良くしてあげるんだぞ』と言われ、教室に入ると見慣れない少年がいた。『転校生だよね、俺和也ヨロピク』
『そうだよ、俺雄太ヨロピク』
ゆうたかぁ、ノリは良いし明るい雰囲気だし友達になれそうだなと思った。
なんか何処かであったような..
あっ!!朝柿の実を投げつけて来たヤツだ!
『ゆうたって言ったっけ、俺と何処かで会ってない?』
ゆうたは思い出した!
『朝の奴!』
かずやはイライラしてきた。
『人が親切に柿の実取ってあげたのに投げつけてやがって!』
ゆうたは申し訳なさそうに..
『ゴメンね、知らない人から柿の実を取ってもらったらいけないって言われてるんだ』
どんな教えだよ!と呆れた。
『そうなんだぁ..』
『そうなんだよ..』
これが2人の最後の会話だった...
次の日ゆうたは父親の都合で北の方へ転校したのだった。
完
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