日"常"

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「――?」 いや。 潜った、と言うのは正しく無い。 俺はガレージのシャッターを『潜りかけた』。 視界の端に何かを認めたのだ。あれは―― 「…人?」 「なんだと?」 聞き付けたルチも再び出てくる。 その『人らしきモノ』との距離は約5m。 暗いせいもあって良く解らない。 「人…だな。確かに」 言いながら近づいていくルチ。小心者の俺も仕方なく後を追う。 すぐに解った。確かに人だ。男。 黒のダウンジャケットにジーンズ、ニットキャップ。 ……? なんだっけ…? なんだ?この―― 「んじゃひっくり返すぞ」 ルチが倒れた男に手をかける。 ――既視感 ゴロリ 「ぅ……っああああああああ」 悲鳴。 俺のだ。 男。顔。 知っている。 コイツ。 「ああぁああああ!!!!!」 アイツだ。 お れ に ふ く ろ を 売 っ た 奴 「何だ!?落ち着けキリ!」 「っ…ヤバい…!こん…っな…!」 ルチの言葉も耳に入らない。 男は死んでいた。 逃げる様に俺はガレージに走った。
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