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「?!…?…」
「しっかりしろ。頭を冷やして、それから説明しろ」
はっきりルチの声が聞こえる。あ、ほっぺが熱い…どうやら殴られたみたいだ。
「あ、うん」
口に出たのはなんとも間抜けな返事。
「うんじゃねぇよ…全く…」
苦笑混じりに呟きながら、ソファーに腰掛けるルチ。
俺も、悪かったと伝えそれに習う。
ルチがソファー下のスペースからブランデーの小瓶を取り出し、投げてよこす。
受け取って口に含むと、本格的に頭がクリアになってきた。
「落ち着いたか?…じゃ、聞かせて貰おうか」
「あぁ…つっても、俺も何が何だか…って感じなんだよ…」
俺は、外で死んでいた男とついさっき取引をした事、こちらが金を払い袋を受け取った事、そいつとは以前から何度も取引があったが、いつも麻袋にクスリを入れて渡して来ていた事、【トリカゴ】で現れた影が呟いた事から、恐らく奴の目的は袋だろうという事などを一気に話した。
「成程な…でもたかだかクスリ程度であそこまでするか…?」
ルチの意見は最もだ。
クスリ――俺達ガキが調子に乗って付けただけで、実際は小麦粉、砂糖、塩などが殆ど。つまりは生活に必要な白い粉をまとめてそう呼んでいるだけだ。
無論時には麻薬の類もあるが、食うものに困る事が珍しく無いココでは、小麦粉も麻薬も単価が変わらないし、元々取引自体が子供が生きる金を手に入れる為に昔爺さんの代に生まれたもので、一種の義務教育みたいなもんだ。
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