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名も無き一輪
吹き抜ける淡い風
静まりゆく水面
心で見たかった
この目にはもう映し出せない
未だに震えてる胸
遮られたあの道の
向こう側へ一歩踏み出せたなら
手を伸ばせたなら
悲しみの揺れるこの花に
深く口付けを落とし
伝う雫の意味を知りながら 戻れないあの場所に
澄み渡る空の青
この目には映し出せない
耳元で告げられた言葉
否定せずただ頷く
あの時少しでも踏み出せたなら
手を伸ばせたなら
悲しみの揺れるこの花は
隣に眠る心に
欲しがった愛の温もりと
一雫を残して
流れるあの場面
過ちと気付いた痛み
堪えていたその分だけ
空は雨を降らせた
強く華麗な花でなくても
息途絶えてしまおうとも
辿り着くまでの道のりを
深く目に焼き付ける
揺ぎ無い心の目に
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